小説「斬首人 木村新之助」

短編小説を書いて見ました。 pixivの方で公開してみたのですが、あちらはR18以上だとpixiv会員にならないと読めないので、こちらにも公開します。
pixivの方がレイアウト的に若干読みやすいと思うので、アカウントのある方はどうぞ。 http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=693539

斬首人 木村新之助

三芳藩御徒組木村新之助、彼は先日他界した父の役目を引き継ぐ事となった。罪人の斬首である。
父が卒中で急死した時、新之助はまだ元服したばかりであり、その若さを危ぶむ声もあった。

「私は幼き頃より剣の修業を欠かさず、また父の仕事を見聞し、死体の試し切りをさせていただいた経験もあります。ご心配には及びません」


家督相続の際、問題の大きさ故に面談した家老岸和田吉継の目を見据えて、新之助はそう言い放った。「好ましいが危うい」、そう吉継は思い、質問を続ける。
「だが新之助、その方は実際に生きた人間を斬った経験はあるまい。そなたの父はそなたに斬首人の心得をどう教示したのだ?」
「父は罪人を人と思うな。物と思えば巻藁と同じと言っておりました。巻藁はちょうど人の首と同じ程度の切れ具合故、存分に修練を積み、その場に望めば危うきことは無しと」
確かに新之助の父、多聞はまるで巻藁を斬るように罪人の首を刎ねる男であった。罪人が土壇に座り、役人が肩を押えた刹那、何の躊躇もなく斬り捨てる。あれだけ無造作に素早く斬ってしくじりがないのは多聞の腕が人並外れているからなのだが、それをこの若者は斬首が簡単だからだと侮ってはいまいか…
吉継の懸念を見て取ったか、新之助が続ける
「いえ、人を斬るのが巻藁のように簡単だというつもりはございません。しかし私の剣技も父に認められ、お前ならいつでも父の役を継げると、生前そう申しておりました」
結局新之助が父の役目を引き継ぐことになったのは、家老が面談の結果に満足したからというより、罪人の斬首という仕事をしたい者が家中に他にいなかったという事情からであった。

牢屋敷の北側の中庭にしつらえられた土壇場は日が当たらず薄暗い。父と共に何度か来ている場所であり、新之助にとってこの薄暗さも、うっすらと消えずに残る血の匂いも馴染みのものであった。
「よし、やれる。父と同じ役目を立派に果たしてみせる」
袴姿に襷掛けの新之助は凛々しく胸を張って足を踏み出した。
だが引き出されてきた罪人を見て、新之助はぎょっとした。娘だ。それも美しい。
「在袋町新長屋お町、父親殺害の咎により獄門に処す」
検視役の同心が確認の罪状書きを読む。青ざめた女は、それでも覚悟はできているものと見え、おとなしく土壇に正座した。押さえ役が獄衣を開きぐいっと押し下げ、左右から肩を押し付ける。豊かな乳房が顕になり、背中に汗が浮かぶ。
新之助は刀を上段に振りかぶる。だが振り下ろすことができない。父に連れられてきた時は女の処刑は一度もなかった。
「この女が父親を殺した?なにがあったというのだろう」
年の頃は二十歳そこそこというところであろうか、ぎゅっと目を瞑り、小刻みに肩を震わせている。細い首は顕にされており、間違っても新之助の腕前なら斬りそこねる筈はないのだが、新之助は動けなくなってしまっていた。


「木村殿!」
検視役の声が飛ぶ。
「はっ只今」
新之助が答えるが、まるで金縛りにかかったように動けない。これから人を殺すのだという事実が突如として新之助の心にのしかかり、重石のように手足を縛る。
新之助の声を聞いた女は、ふと目を開け意外そうな顔で彼を見た。先ほど引き出されてくる時は死を目前にして周囲を見る余裕もなく、ただ地面だけを見つめていたのだが、自分の首を跳ねる役人がこれほど若い声をしている事に驚いたのだ。
「これ!」
後ろを見やった女を叱りつけ、押さえ役が改めて肩を押す。
「すみません」
おとなしく下を向く女。だが先程とは違い、体から硬さが消えている。横顔にほんのり朱が浮かんだ。居心地悪そうな様子で太ももをすり合わせる。
新之助も見た。自分を見る女の美しい目。喉元から胸元の美しい線。これまで母親以外の胸など見たこともない。幼い頃から剣の修行に明け暮れ、遊女屋などにも行ったことのない新之助であった。
「新之助!」
業を煮やした検視役が呼び捨てで叱責する。新之助はだらだらと汗を流し、荒い息を吐くばかりである。その時奥から声がした。
「仕置は明日に延期する」
家老岸和田吉継であった。通常庶民の処刑に家老が列席することはないが、吉継は新之助がこのような事態に陥る可能性を考え、様子を見ていたのだ。
「しかしご家老」
「別に仕置を待つ咎人が溢れて順番待ちをしているわけでもあるまい。一日くらいよかろう。お町、今まさに仕置きされんとしたところでもう一日待たされるその方には済まぬが家老の頼みじゃ、聞いてはくれぬか」
「あい、あたしはお仕置きを待つ身、今日でも明日でも構いません」
「ご家老!私はやれます!」
「無理を申すな。そのような有様で無理に刀を振るえばいたずらに咎人を苦しめ、その方の経歴にも傷がつく。今日の次第は記録せぬことにしておく故、明日までゆっくり己の心を見つめ、立派にお役目を果たしてみせよ」
「……!」
がっくりとうなだれる新之助であった。明日なら斬れるか?いや無理だろう。そう考えるともはや人生が終わってしまったのと同じだ。これほど勢い込んで父の跡を継ぐと宣言し、藩に認めさせた結果がこれでは…

牢に戻されたお町は眠れぬ夜を過ごしていた。今日自分は死ぬはずだった。それが明日に伸びた。明日は多分確実に死ぬだろう。もしあの若い役人がまた怖じけづいた場合、おそらく他の役人が替わって自分を斬首することになるだろう。しかし眠れないのはそのためではなかった。昨夜は死の恐怖に震えていたが、今夜は別のことに気を取られていた。江戸のような都会と違い、牢内は人もまばらで、女牢にいたってはこのときお町一人しかいなかった。夜半過ぎ、お町は牢の外に佇む人影に気づいた。
「………すまぬ」
あの若者、木村新之助であった。お町はなんだか無性におかしくなってしまった。自分の首を斬る役人が斬れないからと謝ってくるとは…
「なんですお役人様、咎人に謝るなんて。そういえばご家老様にも謝られてしまいましたが、この国ではそういうしきたりなんですかねえ」
がちゃり、と音がした。牢の鍵が開いたのだ
「?」
「私は首斬り役人失格だ。お前を斬ることができそうもない。お前が他の者に斬られるのも見たくない。だからお前を逃がす」
「何をおっしゃるんです。お役人様」
「新之助でいい。私はどっちにしろお役御免だ」
「新之助様……」
この若者は自棄になっている。お町は新之助の心中を察した。
「死ぬ気ですね、新之助様」
「私は父を誇りにしてきた。父の跡を継ぎ、立派にお役目を果たせると思っていた。思い上がりだった」
「すこし…お話ししませんか、夜が明けるまでまだ間があります」
牢内に新之助を招き入れ、お町は向い合って座った。格子から差し込む月明かりに二人の顔が浮かび上がる。あのときちらりと見た新之助の顔を、お町は正面からじっと見つめる。やはり若い。まだ幼いといってもいい若者だ。
「あたしは罪を犯しました。死罪に当たる罪です。このあたしを逃がすことが正しいとお思いですか?」
「しかし……」
「あたしはもうすっかり死ぬ気なんですよ。もし新之助様が逃がしてくださっても、首をくくって死にます。そしたら新之助様は咎人を逃した責を負うだけじゃなく、あたしを助けることもできないんです」
「亡き父は…咎人を巻藁と思えと教えてくれた。人と思わなければ斬れると。だが私にはそう思えない」
「お父上はお父上、新之助様は新之助様です、首切り役人がそれぞれ違った考えで首を斬ってもいいんじゃないですか?」
「しかし父は…」
「ああもううっとおしい。おとっつぁんはおとっつぁん、あんたはあんたじゃないか、そんなんじゃあんたのおとっつぁんも浮かばれないよ!だいたい何でもかんでも父親が正しいって決まったわけじゃあるまいし」
「なっ!父を侮辱する気か……」
カッとなった新之助は、お町の罪状を思い出し言いよどんだ。
「そういえばお前は……」
「そう、父親殺しの大罪人さ」
「教えてくれないか、私にとって父とは厳しく怖い人だったが、尊敬に値する立派な侍だった、父を殺すという事がどうにもこうにもわからんのだ」
「それをあたしに聞くのかい?遠慮が無いねえ、まあいいか、どうせ死ぬんだし、あんたになら教えてあげるよ…あたしはね、十の時におとっつぁんに手篭めにされたのさ」
「なんだと?」
「おとっつぁんは腕のいい職人だったけど、あたしが六つのときにおっかさんが死んじゃってね、それ以来酒浸りさ。ある晩酔っ払ったおとっつぁんがのしかかってきてそのまま…」
お町は震えていた。新之助は慌てて静止した
「すまん、もういい、嫌なことを思い出させてしまったな」
「駄目だよ、あんたはこういう話をちゃんと聞かなきゃ駄目だ。だから話す」
お町はきっと新之助を見据えて続けた。
「酒ばかり飲んであたしを抱くばかりのおとつぁんはたちまち金に困るようになってね。賭場のならず者をつれてきてあたしを抱かせるようになったのさ、そいつらから小金を取ってね」
「あたしは心を無くすことにしたのさ、全部おまんまのため。体を開けばおまんまが食える。なんにも考えないで石のようになっちまえば辛くないって思ったんだよ。でもね、人間ほんとに石にはなれないんだね、心を消したつもりでも、心ってやつは奥の奥でどろどろになって溜まっていくんだそしてある時吹き出すんだよ」
新之助は声もなくお町の告白を聞いていた。
「気がついたらあたしは包丁でおとっつぁんを滅多刺しにしてた」
「その次第を取り調べで話したのか?」
「父親殺しは理由の如何に関わらず死罪なんだ。誰がこんな恥ずかしいことわざわざ話すもんか。殺したことは最初から認めて、理由は適当さ。あんただから話したんだ」
お町はぷいと横を向いた、その顔が赤くなっているようにも見えるが、月明かりではよくわからない。
「あんたの話を聞かせてよ」
沈黙を破ったのはお町だった。
「私の?」
「あんたあのとき斬れなかったのはなんでなの?」
「さっき言ったとおりだ、巻藁のようにお前を物として考えることができなくなった。父の共で何度か処刑に立ち会ったことがあり、自分も同じようにやれると思ったのだが」
「うーん」
ちょっと首を傾げるお町
「違うんじゃない?」
「違う…とは?」
「いやそれもあるんだろうけど、もう一つ理由があるような気がするんだあたし」
そういうとお町は獄衣の前を開け、もろ肌を脱いだ。形の良い乳房がまろびでる。新之助は慌てて横を向いた
「馬鹿!なにをいきなり」
「やっぱりね……」
お町の両の掌が新之助の頬を挟み、正面を向かせる
「よく見な、これが女だよ」
ごくり…と唾を飲む。あのときは後ろから覗き見ただけだったが、今はほの青い月明かりの下で真正面から女の乳房を見ているのだ。
「あんたまだ子どもなんだ。子どもには首は斬れない」
「わっ私はもう元服も済ませた大人だ!」
「そういうことじゃないよ、だから子どもだって言ってんだ」
新之助の頭をぎゅっと胸にかきいだく。お町の柔らかい乳房に顔を埋めた新之助は動けない。芳しい女の香りが新之助の鼻孔をくすぐる。お町の鼓動がはやがねのように打つのがわかる
「どきどきしてるだろ」
「………」
「あたしが…男にしてやるよ…新之助」
新之助の耳元で、かすれたささやき声が聞こえた。

元服を迎えたばかりの少年が全裸で横たわる。新之助の線の細い体に、鍛え上げた筋肉が薄く浮いている。その上にお町が膝立ちでまたがっていた。柔らかい乳房、細くくびれた腰、股間にはそこだけ漆黒な恥毛がもやを作っている。お町の手が新之助の胸をなでる。くすぐったいような気持いいような感触が全身に広がり、新之助が震える。手が胸から腹をなぞり、股間に向かう。すでにこれ以上はなくいきり立っていた新之助の肉棒をやさしく包み込み、下から上に撫で上げる
「……!」
「くすっ」
お町が微笑む。目を瞑りぶるぶる震える新之助はまるで昼間の自分のようだ、ああそうか、そういうことなんだ。お町の中で答えが形になった。新之助を抱いてやろうと思った時、深い考えがあったわけではない。女を知らない初心な少年がいきなり自分を見て役目を忘れた、ならば女に慣れさせてやればいいだろう位の気持ちだった。しかしこの交わりはそれ以上のものになると今わかった。お町は新之助を心の底から愛おしいと思い、その心は行為になって現れた
「ひあっ!」
いきなり肉棒が濡れた感触に、新之助は驚き目を開けた。お町が口で新之助の肉棒を深々とくわえ込んでいる。唇で根元を閉められ、竿を舌に舐めまわされ、亀頭を喉に締め付けられる。
「お町…さん!やめっ…汚い」
言い終わる前に達していた。腰の奥に熱い塊が湧き上がり止めようもなく尿道を駆け上がる。
「あ、うわっ!!」
情けない声を上げ、新之助はお町の喉の奥に大量の精を放っていた。何度も、何度も。お町はそれを深々とくわえたままですべて飲み込んだ。飲み込む度に喉が締まり、新たな快感が新之助の背筋をくすぐる。すべて放出し終わった時、新之助はまるで十年も歳をとったかのように疲れ果てていたが、お町の口からぬるりと吐き出された肉棒はまだ期待するかのようにひくひくと震え、鈴口から新たな液体を垂らしていた。お町が新之助に添い寝する形で横になる


「すごい…こんなの初めてです」
「あたしも…精を飲んだのは初めてなんだ…今までの相手は汚らしいとしかおもえなかったから…新之助のは咥えてあげたくなった…口を吸ってもいいかい?」
お町の口からはほのかに自分の出したものの匂いがしたが、新之助は気にならなかった。口と口を合わせ、舌を差し込む。ぬるぬると舐めあう舌から欲望が湧き上がる。二人はそのまま抱き合い、足を絡め合った。新之助の腿にお町が足を回す。恥毛がこすれ、ぬるりとした感触が伝わる
「あたしのも触っておくれ」
お町が新之助の手を自らの股間に誘導する。驚くほど濡れて熱くなっていた。
「お町さん、これは」
「女は男を受け入れる気持ちができると濡れるのさ、こんなになったのは初めてだよ、いや、昼間も…」
「え?」
「そりゃあたしもお仕置きされる咎人なんだから、怖くて震えてたよ。でもあんたの声を聞いてあんたの顔を見たときになぜか濡れてしまったんだ」
「何故…?」
「あは、あたしもよくわかんない。でもさ、なんだかこの坊やに首斬られるならいいかなって思ったらもう怖くなくなって、なんか気持ちよくなっちゃったんだよ」
「……」
「あたし思ったんだ、首切り役人ってのはすぱっと苦しまずに罪人を逝かせる仕事だろ、それって男女の交わりと同じじゃないかなって、あたしこれまでたくさんの男と交わったけど痛いばっかりで一度も気持ちよくなったことなんかないんだ。つまりさ、今までの男たちは下手な首切り役人みたいなもんだったんだよ」
お町は新之助の腰を持ち上げ、自分の上に載せた。新之助の未だ萎えない肉棒を自分の濡れた女陰に誘導する。
「新之助、あんたにあたしを気持ちよく逝かせて欲しい。男としても、首切り役人としても。あんたならそれができると思う」
「お町さん……」
溢れそうな感情が新之助を包んだ。罪人を人と思わず巻藁と同じに斬る、自分にはそれができないとわかった。しかしこの娘はそのままの自分で首を斬れという。そんなことができるのか?男女の交わりというがそれも今はじめて経験することなのだ。疑問、愛情、情欲、すべてごっちゃになった新之助の肉棒が、ぬるりとお町の女陰に侵入した。その刹那、新之助の頭の中でごちゃごちゃがそのままで爆発した。
「熱い!」


肉棒を優しく包みこむ襞がきゅうっと絞めつけてくる。全身を暖かな快感が包みこむ。
「これが交わりか!」
お町もまた、初めての快楽に引きずり上げられていた。この若駒のような若者が自分をかつてないところに連れていってくれるという事がこの上ない確信として感じられた。
「うそ!こんなに気持ちいいなんて!」
新之助が本能に従って腰を振る。汗ばんだ筋肉が張り詰め、お町の豊かな胸に押し付けられる。お町の乳首がこりこりと固まり、新之助の乳首とこすれあう。
「はっはっ…ふっ…ううっー!!」
お町の息がつまり、体が自然と痙攣する。気をやったのだ。十で処女を散らして以来初めての絶頂だった。一つの山が終わってまたすぐ山が来る。
「……!っ」
新之助もまた襲い来る快感の波にさらされていた。お町が気をやるごとにその膣がきつく彼の肉棒を締め付け、それが終わりなく繰り返されるのだ。なんという快楽だろう。彼の肉棒はもう何度も精を吐き出していた。出しても出しても終わらない。
「新之助!新之助!」「お町さん!」
互いの名を呼び合い、果てしなく交わり続ける少年と娘。お互いに最後の絶頂に向けて激しくぶつかり合っていた。そしてついに最後の、最大の絶頂が二人を襲う。それはおそらく世間の恋人同士、夫婦ですら一生の内一度も経験しないであろう快楽だった。
「ーーー!」「………!」
声もなく達した二人。ぶるっぶるっと痙攣し、結合部からどぷどぷと二人の混合液が噴出する。すべてが終わったとき、朝日が牢屋に差し込み、美しく濡れた裸の男女を照らし出していた………

「新之助……あたしの首を斬って、お願い」
裸のお町が上体を起こし、語りかける
「わかった…」
新之助がそのうなじをそっと撫でる
「気持よく逝かせてあげるよ」
「これから新之助はいろんな罪人を斬るでしょう。みんなに優しくしてあげて、あたしと同じように。でも…あたしだけにしてほしいことがあるの。他の人にはしちゃだめよ、妬いちゃうから……」
斬首役人と咎人の会話とは思えぬ睦事を交わす二人を、牢屋敷の入り口からそっと覗く影があった
「やれやれ、どうなることかと思ったがこれはこれでまあよかろう、しかし羨ましいことよ」
ぽりぽりと頭をかく家老、岸和田吉継であった。

土壇場。昨日と同じようにお町が正座し、押さえ役が獄衣を下げる。新之助も同様に刀を振り上げる。違っているのは両者とも極めて落ち着いていることだ。検視役の同心はあまりの違いに目を見張った
「一晩で一体何が?」
隅で見守る家老、岸和田吉継だけが事情を知っている。
「お町さん、いくよ!」
新之助が心のなかで語りかける
「新之助、逝かせて!」
お町も答える
光がきらめき、刀が細首を断ち切る瞬間。お町は昨夜自分の女陰を貫いた新之助の肉棒の感触をありありと思い浮かべ、絶頂に達していた。

「斬られた体が不随意の痙攣を起こすことはままあるが、これは…」
検視役はいぶかしんだ。頸部から鮮血を吹き出しながら、お町の体はあきらかに女性が気をやったときの動きをしていた。下半身からは失禁の尿ではなくねばりけのある液体が溢れ、血溜まりから拾い上げ、洗われた頭は恍惚の表情を浮かべてさえいたのだ。
「新之助の腕が父親以上ということよ、あれの父多聞は確かに精密に素早く罪人を斬っていたが、斬られた顔はみな何が起こったかわからず呆けた顔か、処刑前の恐怖や憎しみが凍りついたものだった。新之助、あれは天性の首斬り人だ」
家老の言葉に納得したのかしないのか、検視役はそれ以上何も言わなかった…

引き取り手のないお町の遺体は一晩牢屋敷に安置された後、藩庁にて埋葬されることになっていた。
遺体は綺麗に水で清めた後、牢屋敷の土間に筵を敷き、全裸で寝かされていた。首は立てて置かれ、胴体の方を見る形になる。


「…お仕置きの終わったあと、清められたあたしの体をもう一度抱いて欲しい。新之助の精をお腹に入れてあの世に行きたいの。気持ち悪かったらやんないでいいけどさ」
新之助は無言でお町の股を開き、いきりたった肉棒を押し付けた。気持ち悪くなんかあるものか、これは自分が逝かせた人だ、自分の初めての人だ。ぬるりと押しこむ。死後時間が立っているにもかかわらず、お町の女陰は抵抗なく新之助を迎え入れた。昨夜とは違いひやりと冷たい感触が伝わる。
「お町さん、言ったとおりこれをするのはお町さんだけだよ」


こちらを向けて置かれたお町の首は微笑みを浮かべて新之助を見ている。新之助はためらいなく、冷たくなったお町の体を抱きしめ、首の切り口にそっとくちづけをして腰を動かした。やがてお町の冷たい体が新之助の体温で温められる頃、新之助の精がお町のもはや子を孕むことのない子宮に注ぎ込まれたのだった。

街道沿いにさらされたお町の首は、父親殺しの罪人という罪状書きにふさわしくなく安らかに微笑んだままで、道行く人々はなんとも不思議な気持ちになった。やがてこの藩での処刑が行われる度、晒された罪人の顔、中でも女性の顔が皆安らかなのが評判になり、首を斬られるなら三芳藩で斬られたいとまで言われるようになった。木村新之助の名も噂になったが、その秘訣について聞かれても本人は「とある人に教わった」としか言わなかったという。

“小説「斬首人 木村新之助」” への3件の返信

  1. Уважаемый автор огромное спасибо за этот замечательный комикс,
    и за ВСЕ ваши работы!!! К сожалению я не знаю ни английского ни японского языков по этому пишу на русском,
    Хочу пожелать вам творческих успехов в вашей работе так как вы единственный художник который великолепно рисует !!!
    P.S.
    Естьли у вас ещё какие нибудь работы связаные с beheaded girl ?
    (спасибо огромное )

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